アレルギーの病気について
私たちの体には、外部からウイルスなどの異物が入ってきた際に、抗体を作って異物と戦う「免疫」という機能があります。
アレルギーはこの免疫反応が、特定の物質に対して過剰に起こる反応のことをいいます。
アレルギーが起こる原因は解明されていませんが、生活環境の変化や特定の物質に起因したり、遺伝素因によるものもあるともいわれています。
アレルギーの原因となる物質を「アレルゲン」と呼び、下記のものが有名です
- スギやひのきなどの花粉
- 食物や薬物
- ダニ
- ハウスダスト
上記のアレルゲンに、免疫が異常反応をおこし、かゆみや痛み、時には呼吸困難などの発作を引き起こします。
また、アレルギーがもとで起こる代表的な疾患には、代表的な疾患としては アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎(花粉症)、アレルギー性結膜炎、 アレルギー性胃腸炎、気管支喘息、アナフィラキシー、小児喘息、食物アレルギー、薬物アレルギー、蕁麻疹があげられます。また関節リウマチや全身性エリテマトーデスといった膠原病や、血管炎などの自己免疫疾患も一種のアレルギー疾患になります。
検査
治療の前に必要に応じて、アレルゲンの特定をするための検査を行います。アレルギー反応で代表的なものがIgEというたんぱく質を介したアレルギーです。アレルギー血液検査では、IgEの量を測定することでアレルギーの程度を数値化することができます。
◆ 非特異的IgE検査(RIST):すべてのIgEの合計を調べる検査です。
◆ 特異的IgE検査(RAST):IgEは個々のアレルゲンごとに異なるので、例えば、ダニに対するIgE、スギに対するIgEというように、個々のアレルゲンのIgEを調べる検査です。当院ではRASTの検査として「View39」の検査を行っております。View39は、一度の少量の採血で、以下の39種類のアレルゲンを調べることができる大変便利な検査です。
吸入系アレルゲン <吸い込んで体に入るもので、アレルギーの原因となりやすいもの>
・室内の塵:ヤケヒョウヒダニ、ハウスダスト
・動物:ネコ、イヌ
・昆虫:ガ、ゴキブリ
・樹木:スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ
・草:カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ、オオアワガエリ
・カビ:アルテルナリア(スズカビ)、アスペルギルス(コウジカビ)、カンジダ、マラセチア、ラテックス
食餌系アレルゲン <食べて体に入るもので、アレルギーの原因となりやすいもの>
・卵:卵白、オボムコイド
・牛乳:ミルク
・小麦:小麦
・豆、穀物、ナッツ類:ピーナッツ、大豆、そば、ごま、米
・甲殻類:エビ、カニ
・果物:キウイ、りんご、バナナ
・魚、肉類:マグロ、サケ、サバ、牛肉、豚肉、鶏肉
なお、上記の検査は医師の診断により、症状のある方で問診等で原因が特定できない方には健康保険が適用される検査です。無症状の方は自費となります。
※全てのアレルギーの原因が分かるわけではありません。また採⾎のみでアレルギーの全てが分かるわけではありません。
※当院では遅延型食物アレルギーの検査や、パッチテスト等の検査はできません。
治療
治療については、何に対するアレルギーかによって様々ですが、最も基本となる治療は原因抗原の回避と除去です。花粉症等の場合など、薬物による対処療法に加え、舌下免疫療法もあります。
また当院ではアナフィラキシーの既往がある方やアナフィラキシーを起こす可能性が高い方(食物、蜂毒、薬品など)には、保険適応にてエピペンⓇを処方させていただいております。
まずは、生活環境(ペット飼育や住居環境、職業)などもお伺いしたうえで、採血結果などを参考にして適切な対応をいたします。ご心配な方も遠慮なく当院にご相談ください。